仕事をしていく上でレジリエンスを高めることはとても重要になっています。本記事ではレジリエンスを高める方法を中心にご紹介します。またレジリエンスの高い人材になることで、企業にとって価値ある人材となっていくことができます!ぜひ日々の仕事でレジリエンスを高めていきましょう。
目次
レジリエンスを高めることは可能
レジリエンスを高めることは可能です。
というのも、レジリエンスは後天的に身に付けて伸ばしていくことができる能力だからです。
現代のビジネス環境は変化が前提。
会社の方針も変わることがありますし、担当業務が急に変わることもあるでしょう。
仕事でトラブルやストレスを抱えることも多いと思います。
そうしたときにストレスを乗り越える能力として、レジリエンスが重要にます。
レジリエンスは転職活動の際にも重要だといえるでしょう。
特に40代、50代の転職活動は求人自体も少ないですし、書類選考で落ちたり、面接で落ちることも日常茶飯事といえます。
課題、困難を乗り越えていくためにはレジリエンスを高めることがとても重要です。
日常、ビジネスにおいてレジリエンスを高める方法や、レジリエンスを高めるために参考になる関連書籍もご紹介します。
レジリエンスとは
レジリエンスとは、「回復力」「復元力」や「弾力性(しなやかさ)」を意味する英単語です。
困難や逆境を乗り越えていくために、上手く適応していく能力を意味します。
レジリエンスは心の回復力として、変化の激しい現代のビジネスシーンで注目されている能力です。
同じような業務を担当していても、ストレスや逆境を乗り越えて成功に辿り着く人もいれば、困難に負けて途中で打ちのめされる人もいます。
同じようなストレスを受けても、受ける心のダメージに違いがあります。
それはレジリエンスの違いにより発生してます。
レジリエンスが求められる背景
レジリエンスは近年特に注目されるようになっています。
レジリエンスがこれほど求められるようになった背景としては、
「時代の変化が速くなっていること」
「予想もつかない速度で環境が大きく変化することがある」
といったことがあります。
数年前にはなかったようなテクノロジーがビジネス環境に大きく影響を与える、といったことも今では珍しいことではないですよね。
ビジネスを遂行する上では、こうした大きな環境の変化はストレスです。
場合によっては未知の世界に立ち向かうことになります。
前例がない仕事をする場合、常に大きなストレスや不安を抱えながらになるでしょう。
そうしたストレス、不安といったことに適応し、乗り越えていくための力として「レジリエンス」の高さが重要になってきています。
レジリエンスが低い人はストレス耐性が低いため、困難や逆境があると乗り越えられない可能性が高いのです。
レジリエンスが高い人は、困難や逆境を乗り越えてビジネスを成功に導きやすいと考えられます。
レジリエンスを構成する6つの要素
レジリエンスを構成するのは次の6つの要素です。
自己認識
自己認識(Self-Awareness)は、自分自身の感情や思考、強みや弱み、価値観や目標を正しく理解することです。自己認識力が高いと、自分の得意・不得意も明確になります。
不得意な部分に関しては、対処法も分かってくるので対応力が増します。
自己認識が高い人は、自分の気持ちや考え方に気づき、それを適切に表現したり調整したりできます。
自己認識を高める方法としては、日記を書いたり、フィードバックを受けたり、自己分析ツールを使ったりすることがあります。
自制心
自制心(Self-Regulation)は、その時々の状況に応じて自分の感情や思考、行動を律することです。自制心が高い人は、感情的にならずに冷静に対処したり、衝動的な行動を抑えたりできます。
自制心を高める方法としては、呼吸法や瞑想法などのリラクゼーション技法を使ったり、目標設定や計画立案などの自己管理技法を使ったりすることがあります
現実的楽観性
楽観性(Optimism)は、未来はより良いものになるという確信を持つことです。楽観性が高い人は、ストレスを脅威ではなく挑戦と捉えたり、自分がコントロールできる部分に集中したりできます。
課題に対しても悲観するのではなく、楽観的に、どうすればできるかを考えて実行していくことができます。
楽観性を高める方法としては、ポジティブな言葉やイメージを使ったり、成功体験や感謝の気持ちを思い出したりすることがあります 。
精神的敏捷性
精神的敏捷性(Mental Agility)は、物事を多面的に捉え、大局的見地から対処することです。精神的敏捷性が高い人は、固定観念にとらわれずに柔軟に考えたり、問題の本質を見抜いたり、適切な解決策を見つけたりできます。
ストレスを感じにくくなり、冷静な対応をしやすくなります。
精神的敏捷性を高める方法としては、読書や勉強などの知識の習得や更新をしたり、ロールプレイやディベートなどの異なる視点に立って考える訓練をしたりすることがあります 。
自己効力感
自己効力感(Self-Efficacy)は、問題を解決したり外部の世界をコントロールしたりできるという自信のことです。自己効力感が高い人は、逆境に直面しても勇気を持って行動したり、失敗から学んだりできます。
「自分ならできる」という自信があるため、たとえ失敗したとしても次にどうすれば成功できるかを考えて行動することができます。
自己効力感を高める方法としては、達成可能な目標を設定して成功体験を積んだり、成功者のモデルケースを参考にしたりすることがあります 。
つながり(関係性)
つながり(Connection)は、仲間や家族などのサポートネットワークを築くことです。つながりが高い人は、必要なときに助けを求めたり提供したりできます。
自分を支えてくれる協力者がいることは、ストレスを軽減してくれます。
つながりを高める方法としては、コミュニケーションや協力の機会を増やしたり、感謝や尊敬の気持ちを伝えたりすることがあります 。
個人がレジリエンスを高める方法
困難や逆境を乗り越える力、レジリエンスを高める方法をご紹介します。個人がレジリエンスを高めるにはどうすればよいのでしょうか。
今、安定した働き方ができている、雇用は安泰だ、と全く一筋の心配もなく働けている方は少ないのではないでしょうか。
もし今後、職を探す必要に迫られた場合、特に40代、50代は厳しい転職活動になります。
その際にも役立つのがレジリエンスといえるでしょう。
ともすれば追い詰められがち、諦めがちな状況を乗り越え、心の健康を保ちながら転職活動を続けていくために役立ちます。
ストレス、逆境を乗り越えて成果を出していくためにも、普段のビジネスにおいてもレジリエンスはとても重要です。自分自身のこれからのためにも、レジリエンスを鍛えましょう。
働きながらレジリエンスを高める
日々の仕事の中で働きながらレジリエンスを高めることができます。
成功体験を積み重ねる
レジリエンスを高める方法として有効なのが、成功体験を積み重ねることです。成功体験が積み重なることで、自己肯定感を高めることができます。
自己肯定感が高くなると、自分自身ができること、できないことを理解し、強みを把握しやすくなります。
また自分ならできる、という自信もつきますので課題に大してポジティブに取り組むことができるようになります。
自分の強みを見つける
仕事をしている過程で、同僚や上司、顧客から「ありがとう」と言われる領域があると思います。それは、あなたの強みともいえる仕事の領域です。
プレゼン資料が分かりやすい、話し方が分かりやすい、パソコンスキルが高い、ファシリテーションが優れているなど、デザインスキルが高い、など人によって様々かと思いますが、人から感謝される仕事、褒められるスキルを強みとして考えてよいでしょう。
自分の強みがあることで、自信を持つことができます。全ての領域の仕事に強い人材は稀有だといえます。様々な能力、価値観、スキルを持つ人材が集まって仕事をするからこそイノベーションも生まれます。
自分の強みを上手く活用することで、自信を持つことができます。それはレジリエンスを高める上でもとても重要なことです。
感情をコントロールする
感情をコントロールすることもレジリエンスを高めるためには重要なことです。
目の前の出来事に一喜一憂せず、最終的な目的を達成するためにどういった行動が必要か、ギャップを埋めるにはどうすればよいか、と冷静に向き合うようにしましょう。
環状をコントロールするための考え方として、
「ABCD理論」
があります。
(ABC理論ともいわれます)
ABCD理論で考え方を変える
ABCD理論とは、1955年にアルバート・エリス(Albert Ellis)が提唱した心理療法です。
A(Activating Event)=状況 出来事
B(Belief)=考え方 受け取り方 ものの見方
C(Consequence)=感情 (感情によって誘発される)行動
D(Dispute)=非合理的なBに対する反論
E(Effect)=Dによる効果
ある出来事(A)の受け止め方によって解釈(B)が変わり、行動(C)が引き起こされる。たとえば、受け止め方(B)が否定的だとネガティブな感情・行動(C)が引き起こされます。
そのため、Bの解釈を客観的に見直し反論する(D)ことで、適切な行動につなげる(E)という考え方がABCD理論です。
ここでポイントとなるのは、自分の受け止め方を客観的に認識するということです。
自己効力感を高める
レジリエンスを高めるためには、自己効力感を高めることも重要です。
自己肯定感とは、逆境や困難な出来事に対して「自分ならできる、乗り越えられる」と自信を持つ力です。最終的には上手くいく、という自信から困難な目標に対しても、積極的にチャレンジを続けていくことができます。
例え失敗したとしても、「どうすれば上手くいくのか」と考え方を変えてチャレンジを続けていけます。諦めないために成功の数も増やしていくことができます。
自己効力感を高めるには、成功体験を積み重ねることが大切です。
個人がレジリエンスを高めるメリット
個人がレジリエンスを高めるメリットをご紹介します。
ストレスに強くなる
レジリエンスが高くなるとストレス耐性が身に付き、逆境や辛い状況にあっても精神を健やかなメンタルを保ちやすくなります。
目標達成能力が身に付く
レジリエンスが高い人は失敗しても次を考えて行動をすることができます。ギャップを埋めるための行動もしていくために目標達成能力が身に付きます。
行動が増えると成功も増えるため、さらにレジリエンスを高めていけるということになります。
環境の変化に強くなる
レジリエンスが高くなることで、様々な環境の変化にも強くなります。AIや世界情勢など変化が激しい現代は、自社と取り巻くビジネス環境が急変することもあり得ます。
また身近なところでは転勤や出向、昇格・降格、リストラ、倒産といった可能性もあります。こうした環境の変化は精神的にも負担が大きくなることもありますが、レジリエンスが高いと環境の変化で発生するストレスにも強くなります。
「レジリエンスを高める」ために参考になる本
レジリエンスは日々の生活や仕事の中で意識をすることで高めていくことができますが、本を読んでさらに理解を深めると、より実践しやすくなります。
以下にレジリエンスを高めるために参考になる本をご紹介しますので、ぜひ手に取ってみてください。
世界のエリートがIQ・学歴よりも重視! 「レジリエンス」の鍛え方
レジリエンスの入門書としてもおすすめの1冊です。
レジリエンスを高めるための「レジリエンス・トレーニング」として活用することができます。
マンガでやさしくわかるレジリエンス
入り方として、漫画の方が読みやすいという方はこちらからレジリエンスについて理解を始めていくとよいかもしれません。
分かりやすかった、というレビューも多いです。
入門書としておすすめです。
レジリエンス 人生の危機を乗り越えるための科学と10の処方箋
トラウマ・サバイバーたちにインタビューを重ね、高いレジリエンスを発揮している人たちは、何かしら共通した方法でストレスとトラウマに対処していることを見出した分析結果から導き出された10のレジリエンス要因などを紹介しています。
本格的にレジリエンスについて学びたい方へ。
まとめ
レジリエンスを高めることの重要性、個人がレジリエンスを高める方法を中心にご紹介しました。
仕事をしていて、日常生活の中においても大きなストレスを受けることはありますし、どちらも相関してパフォーマンスに影響を与えることもあります。
レジリエンスを高めていくことで、生きやすくなる気もしています。
少しずつ意識をして、練習していくことがレジリエンスを高めるために欠かせないといえます。
こうしたことの問題は、その時は意識しても忘れてしまうこと。
普段から心がけたいことなどについては、何か目に見えるところに貼っておいたり、スマホの待ち受けに入れておくと良いかもしれませんね。