40代以降の転職活動では、企業にとって利益やポジティブな影響をもたらせる人材も歓迎されます。その一つがエフィカシーです。エフィカシーの高い人材であることを上手くアピールできると、転職活動も成功しやすくなるでしょう!ではどうやってエフィカシーを上げるのか、方法を解説します。
目次
エフィカシーとは?高める方法はある?
エフィカシーを高めることで、会社にとって欠かせない重要な人材として評価されやすくなります。
エフィカシーは後天的なもの。
日々の仕事への取組み、日常生活でも意識してエフィカシーを高めていくことは可能です。
本記事では、
・エフィカシーとは何か
・エフィカシーを高める方法
ということを中心に解説をしています。
ぜひご覧になり、転職活動や日々のお仕事、自己研鑽などにお役立ていただけたら嬉しいです。
私も数十年、自分なりに意識改革をコツコツしてきた結果、エフィカシーを高められたと実感しています。
今、エフィカシーが自分は低い、と思う方もエフィカシーは高めていけますので、ぜひ日々意識して取り組んでみてください。
エフィカシーとは
まず最初に「エフィカシーとは何か」ということを押さえていきましょう。
エフィカシーは、セルフ・エフィカシーとも呼ばれます。
日本語では「自己効力感」と訳されます。
簡単に言い表すと、エフィカシーは「自分自身に対しての自信」といえます。
世の中はますます不確実性が高まり、ビジネスも日常生活も先が見えない不安がまとわりつく瞬間もあるのではないでしょうか。
そうした時。
自分の能力を信じ、目標を設定し、問題に立ち向かい、乗り越えていく源になるのが、この自分自身に対しての自信、すなわちエフィカシー(セルフ・エフィカシー)となります。
エフィカシーと自己肯定感の違い
エフィカシーは「自己効力感」と訳します。
近い言葉として「自己肯定感(セルフ・エスティーム)」があります。
似たような意味、概念に感じるかもしれませんが、それぞれ別の定義となりますので注意が必要です。
エフィカシー(自己効力感)は未来の自分に対する考え方です。
それに対して、セルフ・エフィカシー(自己肯定感)は、自分の過去から現在までを対象とし自らの存在意義を肯定する気持ちのことを指します。
エフィカシー(自己効力感):未来に対しての自信
セルフ・エスティーム(自己肯定感):過去、現在に対しての自信
となります。
エフィカシー 3つのタイプ
エフィカシーと一口にいっても、3つのタイプがあります。
「自己統制的自己効力感」
「社会的自己効力感」
「学業的自己効力感」
タイプ別のエフィカシーの特徴についても理解することが大切です。
自己統制的自己効力感
自己統制的自己効力感は、
「自分ならできるはず」
という気持ちのことを指します。
チャレンジとなる物事に対して、自信をもって取り組むことができます。
自分の能力を正しく認識した上で、自分の能力を超える場合にはどうすれば対処できるかを考えて、物事に取り組んでいくこともできます。
もし失敗したとしても、自己統制的自己効力感が高い場合、「次はこうすればできる」とポジティブに考えることができるため、再チャレンジにも前向きです。
そのように物事に取り組むことができるため、より成長していけるといえます。
社会的自己効力感
社会的自己効力感は、
「きっとこの人と仲良くなれる」
と上手に対人関係を築いていける自信を指します。
主に対人関係において役立つエフィカシーです。
社会的自己効力感は幼少期から育まれると言われます。
社会的自己効力感が高い人の特徴としては、コミュニケーション能力への自己評価が高いことから、組織内、組織外を問わず人間関係を円滑に築くことができるということです。
顧客との信頼関係も構築しやすく、チーム内でも上手くコミュニケーションを取りビジネスでも中心人物になりやすい傾向があります。
学業的自己効力感
学業的自己効力感は、学業に限定した自己効力感です。
「自分なら学べば理解できる」考えることができます。
新しい学びが必要な場合にも積極的に取り組むことができるため、新しいスキルやノウハウを身に付けることができる特徴があります。
ビジネスにおいても、スケジュール管理やタスク管理に能力を発揮するケースが多いといえます。
エフィカシーが高い人の特徴
ここまで見てきたように、エフィカシーが高い人は基本的には、
「自分ならできる、大丈夫」
とポジティブに考えます。
また失敗しても、
「どうすれば成功できるか」
「自分に足りないスキルや経験は何か」
と考えてまた積極的に挑戦していきます。
エフィカシーが高い人には、共通してみられる特徴があります。
以下のような特徴です。
ポジティブ思考
エフィカシーが高い人に見られる特徴として、ポジティブ思考があります。
何事も前向きに捉えることができるため、自分の能力的に挑戦となることであっても、
「自分なら良い結果が出るはず」
とポジティブ思考で挑戦することができます。
また例え失敗したとしても、
「次に成功するにはどうしたら良いか」
といったことを考えて、再び挑戦していくことができます。
このようにエフィカシーの高い人は挑戦に積極的なため、成功数も増やしていける傾向があります。
責任感・当事者意識が強い
エフィカシーが高い人は結果を出すことに自信を持っているものです。
そのため、責任感・当事者意識を強く持ち、成功するために動くことができます。
また失敗したとしても自分事になっていますから、他責にすることはありません。
失敗は自分のスキル、経験が不足しているためであり、どうすれば次に成功できるのか、と考えてギャップを埋める行動を取ります。
成功体験が多い
幼少期から成功体験を積み重ねてきている人は、エフィカシーが高い傾向があります。
大小を問わず成功体験があることで、
「自分ならなんとかできる」
「最後は成功できる」
といった考え方ができるために、自分の能力に自信を持つことができます。
ストレスに強い
エフィカシーが高い人は自分への信頼が強くあり、
「最後は上手くできる」
と考えることができます。
そのためミスや失敗があったとしても、それを受け止めて、次に生かすことを考えます。
ミスや失敗を他責にせず、自分で受け止めるからこそ、成功するために何が必要かを真摯に考えることができ、ポジティブに成長していくことができるといえます。
エフィカシーが高い人はストレス耐性があることも特徴といえます。
困難に立ち向かっていける
多くの人は困難なタスク、仕事、出来事が降りかかってきたら、逃げ出したいと思うことが多いでしょう。
もしくはハードルを下げて少しずつ達成を目指すのではないでしょうか。
しかし、エフィカシーが高い人は「自分ならできる」という自分への信頼度が高くありますから、高い目標設定をして成功のために努力をします。
本来の目標に最初から全力で挑戦するため、目標達成までスピード感をもって進むことができることも、エフィカシーが高い人の特徴といえます。
エフィカシーを高める方法
エフィカシーが高い人は、ビジネスや日常生活においても困難に立ち向かい、成果を上げていきやすいといえます。
ではエフィカシーをこれから高めていくにはどういった方法があるのでしょうか。
エフィカシーを高める方法をご紹介します。
大小問わず、成功体験を積む
エフィカシーを高めるには、成功体験を積み重ねることが大切な要素となります。
社会人となって経験が浅い場合、担当業務が変わりまだ知識があまりない、といった場合には小さな成功体験を積み重ねることを重視しましょう。
上司も部下に対して、能力に合わせた課題を与え、成功体験を積み重ねることを重要視することが必要です。
コーチングを受ける
新人や部下に対して効果的なのは、1on1などの定期面談です。
1on1を通してコーチングを行うことは効果が高いといえます。
その際には、上司は傾聴することが大切です。
悩みや不安、課題を話してもらい、解決することでエフィカシーを高めていくことができます。
あくまで上司は部下や新人のサポートに徹し、本人が行動して成功することを手助けすることがとても重要です。
知識や情報を取り入れる
自分が関連する領域を中心として、知識や情報を取り入れることもエフィカシーを高めることに役立ちます。
知識を得ることで成長を感じることができます。
インプットだけではなく、アウトプットしていくことも大切です。
適切な目標設定をする
自分の能力や経験を見極めて、適切な目標設定をすることで成功体験を得やすくなります。
自分自身で見極めることが難しい場合には、上司との1on1で課題設定を相談してみると良いでしょう。
前向きなフィードバックをもらう
エフィカシーを高めるためには、トライしたことに対して前向きなフィードバックをもらうことも大切です。
前向きなフィードバックは「次にやれば出来る」といった自信につながりますし、実際に成功すれば成功体験を得ることができます。
エフィカシーの高い人材と関わる
エフィカシーが高い人材がすでに社内、周囲にいるのであれば、接点を増やすことも効果的です。
エフィカシーが高い人材は、周囲とのコミュニケーションも円滑ですし、モチベーションアップをしてくれる行動を取っているものです。
またエフィカシーが高い人と実際に関わることで、エフィカシーが高いということはどういったことなのか、ということも実際に肌で感じられるでしょう。
裁量の大きい会社で働くことも重要
エフィカシーがある程度高くなってきたと感じている場合で、さらに自分の成長を目指したい場合。
働く環境選びも重要です。
勤務する会社や職場によっては、あまり自主的に動くことができないケースもあります。
出る杭は打たれる、という状況です。
もっと自分の課題に挑戦したい、事業の中心になって活躍したい、ステップアップしたい、という意欲が強くなってくることもあるでしょう。
上司に相談してみて、そうした機会が得られないようであれば転職を考えるタイミングなのかもしれません。
転職を決断する前に、例えば、
Will Can Must
などを作ってみて、自分のWillと会社から求められているMustがずれている場合には、転職を決断してみても良いでしょう。
などを利用して、まずは情報収集をしてみてはいかがでしょうか。
上記はいずれも私が45歳を超えての転職活動で利用して、効果的だった転職サイトです。
エフィカシーの高い人材は企業から求められている
不確定な要素が非常に多い現代、エフィカシーが高い人材は多くの企業から求められています。
その理由としては以下などが挙げられます。
高い業績を上げやすいから
エフィカシーの高い人材は、自分に自信を持ち、目標に向かって努力できる人です。
そのため、業績や成果を上げやすく、企業の競争力を高めることができます。
周囲のモチベーションも上がりやすいから
エフィカシーの高い人材は、ポジティブでストレスに強い人です。
そのため、困難な状況においても前向きに対処でき、チームの士気やモチベーションを高めることができます。
社内のコミュニケーションが活性化するから
エフィカシーが高い人は、人間関係を円滑に構築することができます。
そのため社内コミュニケーションの活性化も促してくれます。
前向きでポジティブ、社内のコミュニケーションも円滑にしてくれるスタッフがいる会社は、職場の雰囲気も明るくポジティブになりやすいといえます。
エフィカシーを高めて市場価値の高い人材へ
これからの時代、終身雇用を期待するのも難しいと言えるでしょう。
一生に何度か転職をすることを前提として、40代、50代で急に転職活動が必要になったとしても求められる人材になる必要があります。
求められるスキルなどとしては、マネジメント経験や専門性などはもちろんありますが、これからはエフィカシーが高いことも重視されてくるのでは、と考えます。
有能だと思ったけれど、入社してみたら社内で孤立したり、課題を達成できずにそのまま実績を残せずに短期間で退職、といったケースは実際にあるためです。
エフィカシーが高い人は、ご紹介したようにポジティブ思考で責任感が強く、ストレス耐性も高く、コミュニケーション能力も高い傾向があります。
転職活動の際には、こうしたエフィカシーの高さもしっかりとアピールできると、評価を高めることができるでしょう。
まとめ
エフィカシーが高い人の特徴、そしてエフィカシーを高める方法について解説してきました。
エフィカシーとは未来の自分に対する自信です。
後天的に高めていけることも特徴ですね。
エフィカシーを高めていくには、まずは成功体験を積み重ねることが大切と思います。
日々のタスクを分解して、成功体験を積み重ねることをまずは目標にしてみてはいかがでしょうか。